トコジラミに注意!対策も!
トコジラミについて
インバウンドが活発してきたので、海外から持ち込まれる機会が増えてしまいました。特にフランスや韓国で爆発的に増えているようです。
トコジラミについての知識を持っておくと旅行先や自宅での対策ができるかと思います。
トコジラミとは
成虫は体長4.5〜5mmで茶色く、肉眼でも確認できます。血を吸うと2mmほど伸びます。
血を吸わなくても2〜3ヶ月ほど生き延びます。
25℃くらいの暖かい場所が好きですが0℃で6ヶ月生きた報告とあり寒さにも強いです。主な栄養源は人間の血液です。
薬剤抵抗性トコジラミ!?
ピレスロイド系薬剤に抵抗性をもつトコジラミが海外から日本に居ついて繁殖しています。
ピレスロイド系は殺虫剤として1番メジャーなものです。それが効かないってなんだか不安ですよね。
刺されやすい場所
ベッドで寝ている時に刺すので首、上肢・下肢の露出部です。
潜伏場所より夜中に体温を感知して出てきます。明るいところが苦手で暗くなるとでてきます。
刺されるとどうなる?
トコジラミの吸血の際に注入する唾液腺物質に対するアレルギー反応がでます。盛り上がった赤みがいくつもでき、とてもかゆくなります。
ただ、刺された回数により症状も異なり、初めて刺されたときはむしろ無症状で何度かさされると感作が生じ(敵だとみなす)吸血後1~2日後に赤みやかゆみがでます。
治療は?
虫刺されと同様の治療を行います。
生活上での注意点・対策
旅行先でのホテルで隙間をチェック
ベッドマットとヘッドボードの隙間や壁の隙間、天井の四隅、テレビや絵画や時計の裏側、ソファの背もたれなどの隙間に潜んでいないかチェックします。5mmほどあるため、肉眼で確認できます。また糞である黒色のシミもチェックします。
照明をつけたまま就寝
明るい場所には基本でてこないのでアイマスクをして就寝がいいです。
虫よけ剤の使用
露出部にトコジラミの忌避に有効なイカリジンやディート配合の虫よけ剤を使用します。
イカリジンは無臭で赤ちゃんでも使えるのでおすすめです。特別なものではなく普段は蚊よけとして使えるものです。
トコジラミの駆除は?
もしどこからか家に持ち帰ってしまった場合にはご自身でできる駆除できる方法があります。
燻煙型のゼロのナイトG(アース製薬株式会社)や見つけたときにはトコジラミゴキブリアース(アース製薬株式会社)・コックローチPA(大日本除虫菊株式会社)・バルサンまちぶせスプレー(レック株式会社)が有効です。
一般的なピレスロイド系の殺虫剤は効きません。
ただそれらを適正に使用しても駆除が困難な場合には専門業者に依頼しましょう。
トコジラミの成虫は1日3~6個産卵し、生涯産卵数は100~200個に及びます。
診察で疑うことはできますが、確定診断はできません。
診断には実際にトコジラミを発見することしかありません。
皆様に少しでも正確な有効な知識が広まるといいなという気持ちでブログに載せました。
日本臨床皮膚科医会雑誌Vol.41,No.1,2024 佐藤俊次先生の論文を参考にさせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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